黄昏メロディー
秋葉竹


きみの頑張りを
ぼくは知っている
ずっときみの側にいて
ちゃんと見てきたから
そうでしょう?

夕陽の沈むこの街並みに
オレンジ色の花が咲き
夏も終わりの優しい風が吹く
きみの瞳も優しいオレンジ色
まるで宝石のような煌めき

みあげると割れたガラスのような三日月と
側でかがやく宵の明星
ふたりの目が合うと
あたたかい気持ちが通い合う気がする
歩行者専用信号のメロディーが
ちょっとまぬけて
微笑ましく

これが、ふたりの恋のメロディー?
って、違うよね
ふたりのメロディーは、あの映画で聴いた
陽気でちょっと寂しいあの歌だよね?

ぼくたちはふたり手をつないで
この横断歩道を渡るんだ
 
そんななんでもない幸せが
ふたりの世界のすべてなんだ
この黄昏の街に優しい
ほんとうにやわらかい風が
吹いている

ぼくたちは、それを感じて、歩いていく





自由詩 黄昏メロディー Copyright 秋葉竹 2018-08-18 20:15:00
notebook Home 戻る  過去 未来