渇き
ミナト 螢

傷口のどこかで感染したから
血管が浮いて逃げようとしてる
体温計の届かない場所で
熱を出しても解らなくなるね

目覚まし時計が鳴るまでの間
ゆっくり休めと世界を止めて
君の心臓に合流できたら
皮膚の下さえも愛して下さい

飛び散る汗や溜め込んだ涙が
光を吸い込み蒸発するほど
高熱を出してうなされた夜は
水をたくさん飲めって言われた

味覚がなくなったと思ったけど
口に含んだオレンジジュースが
甘酸っぱくてたるみを忘れた
肌のように僕を潤した


自由詩 渇き Copyright ミナト 螢 2018-07-31 10:23:12
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