白い百合の花
TAT
あれからすべてを失って
もう許してもらえないような罪もある
自分で自分を苦しめて
それでもこういう性分なんだ
酒に呑まれて
爪を立てて
呑み返して
暴れに暴れた
天使に唾を吐いて
人に背中を向けた
まるでお決まりの愚かな定型文だ
それでも朝陽も夕焼けも
ど真ん中からまだ俺を照らす
俺は炎のように泣いてしまって
裸足でこっから先どこまでゆけるのか
こんな所まで来てまだ先へ向かおうともがくのか
心臓にたずねてみた
今もなお脈を打つ肉塊に
業のカタマリに
冬が来れば凍てついて死ねるとか
夏になれば干上がって逝けるとか
そんな綺麗事はもう止せ
百合は今もそうやって化け物のように口を開けて咲く
自由詩
白い百合の花
Copyright
TAT
2018-07-28 16:37:03