黄色い鳥の物語
藤鈴呼



弾む 揺れる 溶ける
囀りが 尾を引いて 離れぬ

何処から 何故 どのように
角度は

幾つもの疑問符が
流れる雲のように

消えた 一枚の 五線紙
方眼紙ほどは 網目が少ないから
今日は これで 良しとしよう

マイン・スイーパー
眠りを誘う時間帯には ピッタリの
ゲームが存在した筈だ

ニート ニード ハードグラス
グラフの中に 埋もれたハート

中央に 埋め込んだら良い星型が
やや 崩れ加減で 焼けたクッキー

さくり
新雪を踏んだ時の 乾いた空気を思い起こす

弾ける 飛び出す メルティー
堕天使の羽根が いやに透明で
眼を閉じた

此処に 虹色を 垂らせば
上手い具合に 升目に埋めるボールが
見付かるだろうか

朱色の弾を 見つめながら
兎の嘆きを 聞きながら
何時だって思うのは 空の事

明日の朝 色合いばかりを気にしてる
期待に反して 曇天だったって
雨足が 遠のくのなら 良いもんだ

ジョウビタキ ジョウレンノタキ セキをする
堰を切って 流れ始める 涙のように
とろり 透明な液体を
わたしに ください

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自由詩 黄色い鳥の物語 Copyright 藤鈴呼 2018-07-25 10:39:12
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