贈り物
ひだかたけし
熱風が吹く夏の午後
僕は木陰に座っていた
何一つ考えることなく
ただ予感がヴィジョンを結ぶまで
草木が揺れ
積乱雲が流れ
風景は異郷と化し
一日も百年も等しくなって
裸の少女が夢見ながら
森の片隅で受胎する
圧倒的な善を受胎する
予感は胸に込み上げ続けた
僕は胸のじぶんを抱きしめて
いつまでも座っていた
何一つ考えることなく
ひたすらヴィジョンに身を委ねて
自由詩
贈り物
Copyright
ひだかたけし
2018-07-21 14:21:22縦