瓦礫
◇レキ

瓦礫



ぬくぬくの
肌のにおいの子守唄
あきらめにぬるい血が満ちてゆく
とっくに腐ったぬるい血が
ビニール袋に穴開いて
ぴゅーぴゅーこぼれる腐った血

ずっと

ただ、謝りたかったんだ





気持ち悪いという壁を
何度超えなきゃならないんだろう
主張という全ての気持ち悪さを
生かす何かは無いのだろうか


転んでいる人間を
ただで笑っている人がいる

誰が決めた常識だろう
何によって決まったのだろう

気持ち悪いというのなら
そのドロンドロンを愛で包むよ





気を止める事すらできなかった
マトモにしゃべることができないだとか
壊しすぎて訳のわからなくなった常識だとか
人と関わるスキルの無さをようやく知った
とても悲しいことだったんだ
僕はどうにもならない穴を持つ
それは途方も無い絶望だ





僕が人として終わっているという自覚からは何も始まらない
ただ人として終わっているという日々があるだけだ

誰も僕を望んでいないという自覚から何かが始まったりする訳じゃない
ただ誰からも望まれていないという日々があるだけだ

人がそう決めたなら、そう決まるのだ…

ある日評価が波のように外からおしよせて僕は薄味になる
常識的な日々が僕を固定しようとする
くそのようにぼけぇと白昼を漂う贅沢さを思い知る

僕は平均台を歩けない
谷底でほうけったように泥んこ遊びを続けよう死骸のように

世界の美しさを失わず行こう
僕は最初から終わっているから…


自由詩 瓦礫 Copyright ◇レキ 2018-07-21 07:26:45
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