瓦礫 2
◇レキ
完全にすりつぶせ
火種完全にすりつぶせ
もう燃えたりしないように
全部壊せ
変わらず際限無く水銀が蛇口から出るから
※
これはもう毒ですらない
ゴミ
臭いだけのゴミ の不快感
生ゴミで埋まればいい
※
食うだけ食い散らかして
楽しむだけ楽しんで
金奪うだけ奪って
その上 帰って文句垂れ流して
ああ、いい人生だろうなぁ…
※
もう会えません
会えるようになるまでは
極寒のような毎日がいとも簡単に口を開けている
言葉なんか臭すぎて生ゴミだ
全員絶望して自殺すればいい
僕だけ生き残るから
※
僕をだませてよかったね
みんなでいたぶり遊べたね
おいしい光をたっぷり浴びたね
優越感に浸れたね
僕をだませてよかったね
素直をむさぼり食いまくりだね
金を奪うだけ奪いまくり
安心をありがとう
蹂躙という安心を
もういい加減
にやにやした上目遣いで
近づいてこないでくれないか、心の底から屑たちよ
※
生きているということ以外に
在ることは存在しない
全部霞のようなもの
まとうものも地位も
これまでのあらゆる蓄積も
皆唯一ある 生きている を
必死こいて滑稽に狡猾に
生きている している
人は一瞬にしか住まないのだから…
なんてしていると
ぷー太郎の僕はある日ぽっくり撲殺されるなぁ
※
乏しいほうが幸せだなぁ
欲望とは追い立てられるということだ
※
思い違いじゃない
人の関係は価値観の違いが成立させる
個々人の様々な納得が成立させる
関係とはそれぞれが利益があると思うから生まれるものだ
時に互いの利益によって関係が生まれ
関係を持つために形式的に互いが利益を作る…
※
しらねーけど
互いが認めるだとか
空気に合わせるだとか
そんなんじゃねーの
獣は別に変身じゃない
グラデーションみたいなものだろう
別にみんなやってるし
※
青さの魔法は
知らないことによる憧れと
特有の異常な熱と
過度な空想なのかも
あるいは知らなさを、そのあるはずの無い壁を思い切り振り切ることができることか
要は無駄なエネルギー
エネルギーの無駄遣いが青さの美しさ
ならば、命を全部無駄遣いしたら、そんな美しさはないなぁ…
※
そいつは何も生まない
ただ拾って捨てるだけ
いっちょまえの顔はできるけど
やってることは何も無いくそ
ただ自分を立たせることしかできない
人の脳みそを
子ねずみちゃんの様に
うるうるしたかわいい目を
尊敬と嘲笑入り混じりながら微動だ燃せず見続ける
※
そいつはただ
狂ってプログラミングされた衝動と
あまりに幼稚な感情を思い切りはじけることをするだけの道具
そいつに実感は無いただの快感に反応する道具だ
だからそいつに何を言おうがそいつは何も聞いていない
ただ会話というていで反応すべきことを反応しているだけだ
そいつにはなんの実感も無い 反応すべきことを反応するだけ
そいつにあるのは快か否かのみだ
決められた物事の上面をはぐようにしかそいつはいない
そいつは空っぽの快に反応する道具でしかないのだから
そいつはどこにもいない
そいつは存在すらしていない
※
どこ行ったって一緒だな
書くことすら力ない
どこ行ったって一人だな
何したって変わらんな
乳母車の車輪をずっと一人でくるくる
回しながら遊んでいた頃と
着替える事は出来たって
自分からは逃げれない
適当なこと言ってはぐらかすんだな
生まれた時から一緒だね
仕組みが欲しいな
生きてゆくことの仕組みが
※
僕を蹂躙することで
生まれ、回り続ける関係が
いつもやさしく微笑みかける
ゴミで重くなってゆく
背負うほど
僕はどんどん痩せてゆく
※
「
この ちょっとした
赤い 赤い熾火は少し前に頂いた
ぼろくそに燃やされた僕の残り火よ
ほら 目の前の
君を殺意で温めてあげる
「
ありがとう
この火をほんの少しづつ
ジョーロでお花に水やるように
陽射しが今日も
ぬるくてごめんね
ザアザア消せよ
きらめく残った内臓は
生の狂気に隠されたまま
見えないな 力の明暗
僕にとっては
今日は随分風が強いな
「
貧弱に
何で見せなきゃならねえんだよ
どうせこの世の行き止まり
勝手に触ってんじゃねえ
勝手に満足してんじゃねえ
ほら お返しに
屑みたいに燃えやすい
お前を鼻で笑いながら
焼却炉でチンしてあげる
どうせ糞ほど面白くねえけれど
暇だし
2018/5/5
※
関係は罪を内包している
生きる事の狂気は絶えずこんなにも守り抜いている
生きる事の面白さはいつも真っ黒な顔をしている
夕方の
燃やし尽くしたような虚しさは
お礼言って 終り じゃないのね
次の餌箱 探しに 行くのね
前 向いて生きるって
きっとこういうことなのね
2018/5/5
※
周りをくるくる 許されない
ちょっとだけちくっと 壊れそう
笑う事すらしてくれない 絶望
こんな誇りに
こんな誇りに
2018/5/5
※
隠喩に生きる住人は
マッチ一本で火事のもと
お互いナイフ持って にこにこ笑うの
たまに自分刺して笑ったり
我が子刺して笑ったり
生が余りあるせいなのね
暇で 暇で 仕方がないのね
2018/5/5
※
忘れてしまいそうになる
忘れたら消えてしまうのに
忘れてしまいそうになる
忘れる程に重たくなるのに
忘れる程に苦しくなるのに
死にたくないよぉ
死にたくないよぉ って
僕の精一杯のやさしさも さくらんぼ
ぷちって潰すみたいに 絶望
教えてください 絶望
2018/5/5
※
許され方を教えてください
悲しみを教えるから
苦しみなんて屁の河童
ああ
死んじゃいそう
死んじゃいそうって
あっけらかんに笑っても
こんな絶望 受け取り切れぬ
両手からこぼれる
どうかどうか落ちないで
数えるように 飲み込むからさ
2018/5/5
※
ふらん ぷらん
ほら火ばさみで
ぎゅっと握ってみせてよ
なんて弱々しく歩いているうち
こんなに暗くなってゆく
やわらかすぎて
生きていたいのよ
ウフン バカン❤
2018/5/5
※
通用しないよ
若さの言い訳 黙殺されて
広げて 温めて
あったかい っても
痛快に蹴り飛ばされる
明日が見えない
隠れて ごめんね
ぎりぎり笑って
歩こうよ
ぎりぎり笑って歩こうよ
死んじゃうよ
2018/5/5
※
こんなにも
僕の見えてる世界が全部
だったなんて
愛は死で
愛を犠牲に
死を どうにかはねのけたいの
美しい内面だ
人の美しい内面だ
なんて美しい内面なんだ
こんなにも
僕の見えうる世界だけが
僕の全部でしかないなんて
死を前にして
それでも僕はきっとやわらかすぎる
無力に笑う事しかできない
行き止まりに ふわふわ笑う
2018/5/5
※
気付いたら
畳が頬に食い込んで
死にかけのようなあまりに苦しい夢にいる
どこにいるのか分からないけど
起きてみるのよ 絶望のここ
自由詩
瓦礫 2
Copyright
◇レキ
2018-07-21 07:07:59