七月の畑
オイタル

七月の畑の
ナスの丸い実を
左手に切り落とす
紫の針が
指先を削ぐ

右足の爪先に
陽を丸く落とす
立ち上がり 雲に翳り
鳥の翼が素早くめくられる

私達の早朝の証である
縛られない土 それを蹴って歩く
初夏の甘さに たなびく悲しみ
轟く気流を差して

暑さで
何もない体の中の
徴のない何かを吐きそうになって
ふらつくやつが ひとり



自由詩 七月の畑 Copyright オイタル 2018-07-15 21:31:09縦
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