夏の入り口へ
そらの珊瑚

小さなサイコロが
ころがっていく

平坦に見えた道に
傾斜がかかりはじめたから
なにもかもが
かろやかに
だけど
のがれることはできない

さよなら

さよならも
すなつぶも
ころがっていく
うたを奏でる者たちは羽化し
だんごむしは球になり
季節の展開図は立体化する
僕は
覚えたばかりの自転車のハンドルを
汗ばむ手のひらで
ぎゅっとにぎった



自由詩 夏の入り口へ Copyright そらの珊瑚 2018-07-15 08:40:52
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