透明少女
ミナト 螢
空の傷口から溢れる雨が
髪の毛をとかし束になるまで
触れられることのなかった身体を
守って来たんだ呪って来たんだ
掌を滑る雨の粒は丸く
パチンコみたいに弾かれながら
運命線の先に立ち止まる
ギュッと握り潰して空へ返す
指先を擦り抜けた雨のかけらが
傷を塞いで青ざめた顔を鮮やかにする
運命なんて信じないけれど
雨のち晴れに変わった瞬間は
誰かに頭を撫でて欲しかった
自由詩
透明少女
Copyright
ミナト 螢
2018-07-13 12:33:34