気流
梅昆布茶
ただしい農場では
ただしい青果が生産され
世界をよりただしくしてゆくのだろう
おびただしいひとの群れは
おびただしい愛の定義をつむぎだし
世界をより美しいものにしてゆくのだろうか
救援を待つ宇宙船のなかでぼくは
たぶん1冊の本とたったひとつの
自分のなかの音楽をもとめるのかもしれない
うつくしい職場では産業能率的に環境音楽がながれ
ロボット化されたラインは飽和を生産し続けるのだろう
はずみでこの世に出来した僕ではあるが
誰にも親近感を見出せなくてとまどっていた頃は
孤独と一緒にいる春がすきだった
マルクスの春はロンドンの貧民街にあるのかもしれない
散らばっている骨はすべて拾ってあげるんだが
きょうもいちにちが 過ぎる
ブレイクもしないしスルーする知恵もなくて
時代と普遍という高原をゆめみている
じぶんの気流をさがして
自由詩
気流
Copyright
梅昆布茶
2018-06-26 00:07:22