夜の国の些細な出来事
腰国改修

猫のように飛べたらいいのに
草原を這い進む低空飛行で
ミステリーサークルを君に作ろう
気がつくとひとりで夜汽車を見つめて
オーンオーンと長泣きする
疲れたから全部を垂れ流して
引きずるように駅へ向かうのだ
ゆっくり、ゆっくりと
濁り血を流し内蔵を引きずって
全ての履歴や愛別離苦
一つ一つ捨て去って
骨だけの私は猫
無人改札を通り抜ければ
夜汽車が優しい
シュルシュルッと客車に入って
私は抱かれる一つの骨壺
誰だってそうだ
最期ぐらい安心して
『永遠』と言う名の
ブルーの夜河ような汽車に
静かにぞっと揺られながらゆく


自由詩 夜の国の些細な出来事 Copyright 腰国改修 2018-06-24 22:36:34
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