覚悟して往きましょう
ただのみきや

ひとつの楽曲が
獣のように現れては去って往く
そんな境界で白いけむりを手繰ること

倒木の洞
爛熟の火照りから上ってくる
固く閉ざした鞘翅さやばねの囁くような反射

メモ書きだらけの手が
ピアノを弾くあなたの肩に置かれる刹那の
炎のような動揺

ひとつの思惑から生まれて
自由の虜となり身を焦がす
青い蛾の 麝香に似た匂い




             《覚悟して往きましょう:2018年6月23日》








自由詩 覚悟して往きましょう Copyright ただのみきや 2018-06-23 18:57:03縦
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