ずれてる
赤猫永宜

ゆらゆら夕凪に映える

1.2.3で膨張して

4.5. 6で収縮する

手近にあった虫かごに放り込んだ宇宙

いくら見ていても目を合わせてくれない ひたすら毛づくらいをしている

震える手で虫カゴをゆすってみたり叩いてみたりしても全くこちらを向こうとはしない 時折、動きがとまるくらいだ

掻き毟った乾燥肌 血の付いた手を洗う 血と皮膚の混ざった爪垢を丹念に取り除く

ああ、あと何回繰り返せば眠れるのだろう







自由詩 ずれてる Copyright 赤猫永宜 2018-06-21 02:05:40
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