こもごも
藤鈴呼



枝に張り付いた雪が
まるで 昔から私は こんな風だったのよ
そう 云わんばかりに
胸を張っているから
なんにも言えなくなって
佇んだ まま

アメリカンドッグと
フランクフルトの違いで
何時だって 言い合いをした
あんな風な 感覚
ふわふわの意識が
衣にも似て
空を 見上げた

インスピレーション
氷柱のように 突き刺さるから
痛みよりも 先に
美しい氷で象られた
水溜りの行方を乞う

願いは雪にとけ
祈りは雪と融け
解け合う前に解決できぬ物語が
枝の隙間から顔を出す光に
彩られる

スッと刺した頬紅の色が
暁を思い出すようで
睫毛の下に浮かぶ影は
きっと 夕暮れ
繰り返したら 一日が終わる
繰り返せたら 一日が
また 始まる

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自由詩 こもごも Copyright 藤鈴呼 2018-06-16 16:10:47
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