僕だけいじめる人気者
赤猫永宜

まただ
また首輪自慢だ。
よくもまあ飽きないもんだ。

うんざりして空を見上げると、相も変わらずアレが鉛のような音色で重圧をかけている。
よくもまあ飽きないもんだ。

裏表しかない男ともうひとりの裏表しかない男の延々と続くやまびこのようなやりとり。気を失いそうなくらいの大声だ。
よくもまあ

よくもまあ飽きないものだ。

こんな日は月が綺麗なんだろうな。



自由詩 僕だけいじめる人気者 Copyright 赤猫永宜 2018-06-15 20:39:00縦
notebook Home 戻る  過去 未来