花嫁
青星円

家路の途中教会の前を通ったら
華やかな結婚式が行われていた

入り口のゲートは開かれていて

お祝いに来たたくさんの人たちが
花びらを宙に舞わせて新郎新婦が出てくるのを待ってる


庭に出てくるすらりとした長身の新郎

半歩遅れて手を取られ庭への階段を降りてくる新婦

白いヴェールに白いドレス
手には真紅の薔薇のミニブーケ

遠目にも分かる、美しい女性だ

しかし、ぼくには見えている
新婦の頭の白いベールは燃えている

青と赤の混じった炎を放っている

多分彼女も感じ取っているはずだ



彼女と目が合った
「おしあわせに」
聞こえない距離だけどひとこと言って

ぼくはその場を後にした


自由詩 花嫁 Copyright 青星円 2018-06-14 15:26:54
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