いまのひかり
坂本瞳子

悲しみは訪れる
予告なく
足音も立てず

時刻を止めて
くれたらいいのに

逃げ出したいけれど
行き先が見当たらなくて

呆然としたいのに
誤魔化しようがなくて

わたしはわたしだから

この悲しみを受け留めなければならなくて
どうしたらいいか分からないけど
いまはまだ
分からなくてもいいのかしれないけれど
だからといって
許してはもらえなくって
どうしようもなくって
打ちひしがれてもいられなくって
悲しみに飲み込まれたりもしていられなくって

目を見開いてみた


自由詩 いまのひかり Copyright 坂本瞳子 2018-06-12 23:04:06
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