しあわせを呼ぶハミング
秋葉竹



紙ヒコーキを飛ばす
君といっしょに。

すべるように飛べ、青空へ向かって。

梅雨のなかやすみに近くの河原で、
君の部屋でていねいに折った
ピンクの紙ヒコーキを飛ばす。

飛ばすことに飽きてくると、
黄昏がだまりこんでしまって、
僕の願いは、灰色の雲のなかへ迷い込む。

たいせつな場所へ
いつでも行けるわけではないのですね?

教わったけれどね、
理由なんて、嘘だよね?

いまはこうして君と手をつないでいられるだけで、
いいから、
君がハミングする夏の歌がそっと、
僕にやさしい眠りをあたえてくれるなら、

そのとき、
僕と君は今日飛ばしたヒコーキに乗って
しあわせなあの頃に戻っていける自由を、
ふたりがかりで、
分かちあえるのかもしれない、ね。








自由詩 しあわせを呼ぶハミング Copyright 秋葉竹 2018-06-10 16:45:51
notebook Home 戻る