嵐の予感
ささはら

嵐の予感がしなくもない
稲妻が遠くはじけるから
傘をさした人々の連鎖
水たまりの中青く染まる
蜃気楼の出現により
散り散りに散り散りに
立ち消えた犬
ゆくえを眩ました

嵐の予感がしなくもない
稲妻がもはや鳴り止まない
傘をさした人々の連鎖
水たまりが赤く染まる
四足歩行の出現により
ずたずたにずたずたに
破裂した犬
内臓が露わになった

嵐の予感がしなくもない
稲妻が遠くはじけるから
嵐の予感がしなくもない
稲妻がもはや鳴り止まない

傘を片手に歩く人々は廉価
赤く染まった水たまりの中で
踊る胎児よ笑え
青く染まった水たまりの中で
爆発の大味に覚醒

大戦争の予感がしなくもない
耳障りな爆発を握り潰して
瓦礫の山で眠れ


自由詩 嵐の予感 Copyright ささはら 2018-06-09 21:09:23
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