離散
ねなぎ

初期化しなくてならないと考えたのだが
形式が解らない
互換性が無くなるのが嫌だったので
そのまま

景色は形骸化され

付随して行くのは
切れ端のようなもの
切り取られた消し屑のように
散らばって
広がって
でも
無くなる事は無い
もちろん
元に戻る事も無い

片付ける事を辞めた部屋で

意識の端から
時間が毀れて
紛れて
流れて行くのは
解るのだが
繋ぎ止める術を知らない
時間端から
意識しているからかも知れない

考える事すら放棄して

止め処なくと書いて
止め処も無く書いている
止める事を無くした話は
話とは言えないので
お話しにならない
話したからと言って
どうとなるものでも無い

独り言葉も無い

初期化しなくてはならないと
考えてはいるのだが
話す端から消えていく
意識を繋ぎ止められず
互換性を失くした
切れ端だけが散らばったので
纏まりも無いのに
固めて止まった


自由詩 離散 Copyright ねなぎ 2018-06-07 03:01:26
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