天空の集い
ミナト 螢

追い駆けてみたいあの青い空に
いつか大切なものを置き忘れ
見上げれば降り注ぐ日射しだけが
ゴールテープを溶かそうと啼いた

あれは近くにある遠い幻
踵を鳴らしアスファルトを蹴り
歩みを続ける呼吸の真ん中
懐かしい歌が鎖骨で揺れる

ホップステップジャンプで跳べるなら
夏の落とし物を全部拾って
冬になったらサンタクロースになろう

万歳をすると子供が喜び
ゴールに辿り着いたフリをして
参加賞のうちわで扇いでくれた
優しい少年の目を忘れない

小さかった足が大きくなって
誰かのために道を残せるか
それぞれの空にかけた願いを
手鏡でのぞくとキラリと光る

五感が目覚める良く晴れた日は
世界と平和が手を繋ぐような
助走を始める人が増えるから
雲のゴールテープはちぎれそうだ


自由詩 天空の集い Copyright ミナト 螢 2018-06-02 15:17:39
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