白いおんな
朧月

大型ショッピングセンターの
トイレでは制服の女子高校生がお化粧をなおしている
口笛をふきながら
占領している鏡を
だれもなにも言わない
私はその前を足をひきずりながら歩いた
白い顔をして歩いた
女子高校生はちらと私をみたが
なにも言わずなにもかわらず
自分の顔にいそがしかった
私たちはともにいそがしいふりをして
私たちはともに決別をした
彼女の手もまた白かった


自由詩 白いおんな Copyright 朧月 2018-06-01 20:46:55
notebook Home 戻る  過去 未来