真夜中の始祖鳥
フユナ

夜を
飛んでいく大きな鳥を
始祖鳥、
と呼んだのは君だったか

そしてそれを呼び慣らしたのは
僕だったか

手を振ったのは僕だったか
振り払おうと強くあげたのは
君だったか

笑ったのは君だったか
歯を剥いたのは

君だったろうか
僕だったろうか

夜を
飛んでいく大きな孤独を
始祖鳥、と呼んだのは僕だったろうか

君だったろうか
果たして

あの生き物がいたことだけ
ああ
それを二人で見たことも
こんなにも
確かなのに





自由詩 真夜中の始祖鳥 Copyright フユナ 2018-05-31 23:49:38
notebook Home 戻る  過去 未来