薔薇と神様
卯月とわ子

貴女は

手の届かない高い処に咲く花だった

わたしは貴女を見上げて

その美しさにため息していた

そしてその先の空を見上げて

雨が降るように祈っていた

貴女が枯れてしまわないように

愛をもたらす神様を探していた

たっぷりと貴女の根深くまで染み込むような

愛を降らせる神様を


神様は突然現れた

貴女を深く深く愛する神様

貴女はより一層輝いて美しく

わたしはまた貴女を好きになったんだ

そして貴女を愛してくれる神様を愛した


神様は優しくて

わたしの心にも花を芽吹かせた

まだ生まれたばかりのこの子は

貴女のように美しく咲くだろうか

小さな花でも構わない



今日もわたしは貴女を見上げています


自由詩 薔薇と神様 Copyright 卯月とわ子 2018-05-31 15:10:01
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