エイプリルフール
ミナト 螢

自動販売機のHOTが消えて
両手を温めるものがないよ

頬を横切る冷たい北風が
弱々しい陽射しを打ち砕き
トレンチコートを透かす光が
微かに僕の体温を上げる

明日になればめくるカレンダーの
占いコーナーは読み飛ばして
それでも半袖=吉と書いてあり
少しだけ迷った自分が嫌い

四月の嘘は分かりやすいから
騙された僕を笑って下さい

季節が進んで食が細くなる
春の終わりと夏の始まりが
夜空の上で星の位置を惑う


自由詩 エイプリルフール Copyright ミナト 螢 2018-05-27 13:34:52
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