さみだれ
むぎのようこ



つま先で
みてた空の継ぎ目を
そっと裁つ鋏
皮膚のうらがわで
咲いた
あおい花のいろ
にごって、曇った
くちびるの
すきま
そこなわれた血と
その清潔を
しずかにあらう木洩れ日の
ささくれだち
暮れゆくまぎわ
棘になって
ふりそそぐのは
すがらない
生命
いさぎよく、淡い
月の
もえるさま
ちりちりと丸まる紙
ひえてゆく白さを
うつす
コンクリート
ひびわれる
雨音を飼いならす
季節になる、









自由詩 さみだれ Copyright むぎのようこ 2018-05-26 17:23:53
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