密儀
ペペロ

そこには私語ひとつなかった

密儀はたんたんとすすみ

尊さがただ強調されつづけた

読経のときだけ声を発した

はじめて会ったひとばかりなのに

訓練された聖歌隊のようにそろって

倍音のような音声まで響いていた


ひとりを救うという不動心

それが使命なのだと

そのための歓びや艱難辛苦なのだと

そしてこの境地は尊いお命のうえに

大乗利他の不動心が

心底申し訳なく座していた


そこには私語ひとつなかった

密儀はたんたんとすすみ

尊さがただ強調されつづけた

読経のときだけ声を発した

はじめて会ったひとばかりなのに

訓練された聖歌隊のようにそろって

倍音のような音声まで響いていた







自由詩 密儀 Copyright ペペロ 2018-05-21 00:13:17
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