よいやみ
秋葉竹



つきあかりはぼんやりと
わすれたころに潤む

はむしがとぶ白光のなかに
かわいたかげがみえる

それはまちわびたわが子のこいかげ
といかけをしなければきえてなくなるまえに

くちびるはちいさくうごき
はかれないこころをとう声をつぶやき

ながれない涙のながしかたをこころみる
よろしいですかもういちどと

よろしいですかもういちどと
よろしいですかもういちどと

くりかえしくりかえし
おるごーるのえんどれすで

まちにながれる5時のちゃいむのおとに
びくつきながらおんかいにおぼれながら

わが子のなまえをよびつづけるしつこさで
いきのつづくかぎり

なにに憧れもしないつめたいふゆ
もふくのおんなのこえがするよいやみ










自由詩 よいやみ Copyright 秋葉竹 2018-05-05 05:22:39
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