泡のお風呂
◇レキ

「あ」

と言われたら
「にゃ」と言いたいのかも
でもフツーは「へ」らしいから
「へ?」と言わなきゃいけないのかな
それともいいのは「にょ」かな
うむ、そうかもしれないな
はたまた
「へにょ」とか言っといて
何も言ってないみたいにするのがいいのかな
いやいや、もしかしたら「あ」の人には
「そ」の人成分が含まれているのかも
「そ」と言われたと言う事は
「ねぇ」でいいのかもしれない
しかしあますぎるかもしれないし
「あ」の人はずっと「あ」の人で
「そ」の人、というのは僕の錯覚かもしれない
だから「あ」の人でも「そ」の人でも自分が崩れないように…


「あ」

「ひょ」

………
(え?)

………
………
………
(しゃべるって、むつかしーなぁ)





にゃにゃんがにゃーん
大人になった振りをしてるよ

くすくすくすくす 溶けちゃうよ
わんわんわんわん 泣いちゃうよ

そっと そっと もたれかかるよ





ぽんぱぽん
ぽぽんぱぽん


ぁ、ふふ、ふりゅり
しっくりさっくり
すこししっとり

さわる

ぱちぱち、さらさら
ちいさいためいき
(ほんとはもっとなんだ)


まみむめも


ちりっ


とすとす
ねえ、ねえ

(ぼくはここだよ)


とすとす
ねえ、ねえ

(きみしかみないよ)



かしゃん…



ぽーん ぽーん

あれ

あれ

きみしかみないのに

ぐぎ
下見る
ぎゅって目になる


ぼく、サンダル
(きみしかみないよ…)

明日に逃げるなよ


ぎゅ!

さらさらさらさら さらり

「お疲れ様でした」

スタスタスタスタにげるね



ずたっ



アイス食べよう

やわやわ

これくらいなんてけろけろさあ



(ざあざあ)

(ざあざあ)



夕陽
かーん、かーん
かーん、かーん

かなしいな
むなしいな

本当は、もっとなんだ

2017/04/26





バキバキ
ぽややんもあったっけ

ないねないね
漠々と景色だ

砂粒拾えば
砂粒拾えよ

そこにきみがいないから


どこにいるのかな
空気のきしみにそう言っている


さ、さ、さ、さ
しゅうしゅうしゅう
が、が、、、が!
変なのって、つーん

きらきらはどこって、違うかな
さっす、がっす!
変なのって、つーん

嘘じゃない?
嘘かなあ

つごー!ってなんか
ぶつかってきて
風強そうだ

つごー!つごー!つごー!

ああ
しっくりだ

悲しいかな
しっくりだ

2017/04/27





心の溝がカチリと合う
こんなに身近にあるものなんて

互い ほぐれて温かいのに
互い 愛の触手を伸ばすのに

(最後にちょっと、手を握ってよ)

僕の
開ききらない翼の
その空白分の虚しさに

君は離れる
悲しそうに笑うのに
手を振ることしかできないのに

(最後にちょっと、キスをしようよ)

僕の
開ききらない翼の
その空白分の虚しさに

心の空白をそっと抱き合えたなら
感情をここに忘れてしまいたいから

もう会えない寂しさを
せめてもこの一時の
心の芯まで出会えた幸福で浸らせて

2018/3/26





不安が消えた空白に
あなたがいないから
少し怖いよ

桜は散るのに咲くように
満ちる分は必ず風にさらわれる

でも忘れようとしなくてもいいらしい
嬉しいと笑えばいい
楽しいと叫べばいい

どうせ どっちにしたって
桜は散るのに咲くように
満ちる分は必ず風にさらわれるのだから

樹はもしかしたら何度でも
死に続けて年輪を太らせる
その命を内に閉じこめて

同じ様に
温かさに花を咲かせるために

2018/04/13


自由詩 泡のお風呂 Copyright ◇レキ 2018-04-14 13:37:17
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