みんな幸せになればいいのに
小川麻由美

みんな幸せになればいいのに
暴力的な春風に耐えながら
詰まりそうな呼吸を必死に続け
目に入った砂粒で泣き
砂粒のノスタルジーを聞かされ
更に目からは涙が止まらず
涙が止まる方法を あちこちに
それこそ あちこちに 電話で問う
今月の電話代が気になってくる
涙を止めたい 電話代がかさむ
頭でふたつの事が旋回する

みんな幸せになればいいのに
言った瞬間ダッシュする
責任なんて持てる訳がない
春風に耐えながら銃殺される
春の空に それほど青を求めない
崩れる瞬間そう思うに違いない
重要な事は重要でない事にずらされる
世界の回り方なんてそんなもの
うそぶいてはダッシュする
幸せについて無知だと気付き
赤らんだ頬をファンデーションで隠す

みんな幸せになればいいのに

私から 私たちから
あなたから あなたたちから
幸せに気付いてみよう

こんなにも難しい事
そうそうないと春風が吹く
長すぎる沈黙が続く

みんな幸せになればいいのに


自由詩 みんな幸せになればいいのに Copyright 小川麻由美 2018-04-13 03:52:43
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