僕が見る夢
暁い夕日


マーブリングで描かれた永遠の模様

始まりはいつも、そんな曖昧さで、語る事を許さない

抽象的な静物画 又は、静物を見て取る抽象画

暫くは何を見たのか分からない

断片的に、光!また、闇

はっきりした映像が次第に映る

待合室で、今日も定刻通りに鬱患者達の集会開催

誰も取る事のないかるたが散らばった六畳間

ボコボコに殴られて痣だらけの笑った妻の顔

順番は分からないが、確かに見た

たったそれだけなのに、それらは僕の人生を示唆しているかのように

起きていた今日、同じ事がおきていた

本当は

億万長者とか

世界の救世主とか

チュッパチャプスの社長とか

売れっ子作家とか

ありふれた夢を望んでいるのに、

一度も夢の中でさえ、叶えられない今日

手首のためらった路線の増える

私は今日まで何を果たしに生きてきたのか

迷える子羊と言うには可愛く

意味なく生きてきた、と言えば存在を失い

宙ぶらりんで、描きかけのキャンバスを眺めている


今はそれ以上の、夢は見ない


自由詩 僕が見る夢 Copyright 暁い夕日 2018-04-04 01:04:16
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