そこにいるのは。
ヒヤシンス


 そこにいるのは誰?
 森の入り口で僕は小さな叫びをあげた。
 昨夜からの雨の上がった朝だった。
 風そよぐ緑の中で気配は続いていた。

 君は僕の味方?それとも・・・。
  味方かどうかはわからないけれども敵ではないよ。
 ひっそりとした森の中に声が響いた。
 茂る木立の間からほんの小さな目だけが覗いた。

 言葉を紡げば詩が生まれ、
 時に誰かの感性と調和し、鳴動する。
 先の見えない世界の中で穏やかな道標となる。

 森の入り口に立つ僕の前におかっぱ頭の小さな女の子が立っていた。
 ああ、君は僕の詩だね。おはよう。
 君は背中の羽を存分に伸ばし、微笑みを残して、宙へと舞い上がった。


自由詩 そこにいるのは。 Copyright ヒヤシンス 2018-03-24 06:56:14
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