さようなら秘密基地
田中修子

灰色に枯れかけた景色を
あるいてったさきは
いつだって
なんもない

(記憶のおくのほうで化石になってくれていた はやあしのおと)

どうしたって ぜったい壊れちゃうんだけど
あったかい秘密基地がほしくってさ

ちょっと古いにおいのするベッドがあって
どんぐりやビーズを散らかしていて
みんなが忘れちまった
ともだちの遺影に野の花を
飾り気なく 飾るんだ いつだって わたしだけがね

わたしのことをいる きみがいて
(そんなの 溺れない翡翠色の 冷たい なみだ)

ガッコの帰り うす水色のゆうぐれに
スケッチブックを持ってって
きみの横顔描いたんだ

きみはずっと
すうっと刷毛ではいたように
薄くながれる雲を見ていて
わたしをみてはくれなかったが

あごの輪郭とってもきれいで
うしろすがたのかじかむような

(記憶をさぐるとき
薄い瞼のした
きょろんとうごく眼球で)

いつのまにやら
わたしのこころが秘密基地

薄れた こすもすのいろとにおいと さようなら ともだちよきみよ
さようなら あれだけ欲しかった かけぬけるよな 秘密基地


自由詩 さようなら秘密基地 Copyright 田中修子 2018-03-24 01:10:21縦
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