炭水化物パレード
藤鈴呼


米粒たちが 踊る街
クリスマスソングが
もうそろそろ 響き始めても
良い頃だよねと 笑う

嗤われるのでは ない
あくまでも 主人公は 口角なのだ
広角レンズを 目一杯に構えて
シャッターチャンスを狙うと
米粒に描いた文字が
ゆっくりと 浮き上がって来る

一文字に思えた 象形文字
一見しただけでは
意味の判別が 付かぬような彩
言葉のアヤを見つけながら 思う

半べそ交じりに作った 東京タワー
一人では繋げなかった 毛糸の束
回しても 回しても
胴体が隠れなかった
手編みのセーター

チクチクする カーディガン
ふわふわの アイツ
指網で 何処まで行けるか
競争してみよう

よーい どん!
チャンスとともに 閉じたドアを
いつまでも 眺めながら

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自由詩 炭水化物パレード Copyright 藤鈴呼 2018-03-23 09:24:44
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