parfum.
むぎのようこ


うすく欠けた月を
つつく
くちばし
埋もれたはねの
なめらかな湿りを
靡かせた風の
まだ
つめたい季節

いちまいずつ
剥いだら
花も
あめをよぶ
春はさらさら
ながれる静けさ
はねた
空のあまさ
何度
なぞっても
いい、

つつがない
爪先から
燃え立つのに
かおらない
花の
名前は
わすれた
だから、耳打ち
して





自由詩 parfum. Copyright むぎのようこ 2018-03-20 00:48:50
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