熱中
一 二

人類が死ぬ気で生み出した
時間と修練の賜物が

国境や海を越えて
名前も顔も知らない人たちを
統計上の数字として
スイッチ1つで大量殺人を成す為だけの
装置でしかないとしたら
人間の進化は、なんと空虚なものだろう

万物の霊長たる我々が
次代へのバトンパスたりうる三人称の表現を
他者を値踏みし記号化する儀式の場としているならば
大自然に逞しく生きる野生に
なんと顔向けできないことであろうか

詩人よ
非生産的であれ
熱中せよ

自身の中の熱き想いを
他者を幸福にさせるためだけに熱中せよ

記号ではなく
数値ではなく
想いを繋げ

誰も苦しまず
誰も苦しませず
自らの好きを広めよ
他者の好きを否定するな


自由詩 熱中 Copyright 一 二 2018-03-15 00:14:02
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