スーパー銭湯の数%の希望
狩心

近所のスーパー銭湯に
生ジュースを販売している場所があって
そこの女の子がうんこみたいにかわいい

「何がおすすめですか?」と聞くと
「イチゴがおすすめです! 実は私の名前もイチゴっていうんです(笑)」
と言って、ニコッと笑う

オレ全然イチゴ好きじゃないんだけど、一誤算が好きだから
500円もする生ジュース3杯も頼んじゃう

一期一会は好きだよ
え? プレイボーイじゃないよ

イチゴさんは一重じゃなくて二重で、
十二ひとえの衣装を着ていて、煌びやかで厳か

オレはゴックン、今までの人生ぜんぶ、一気に飲み干しちゃう
んで、オレの聖なるマウンテンが噴火するから

イチゴさんが、「またマウンテン噴火してますよ」と言う

「実は俺、近所の喫茶マウンテンの店長やってるんですよ、
 良かったら来世で来てくださいね」と言う

イチゴさんは真っ赤になって
「ほろ苦い香り漂う、真っ黒い宇宙の渦に、時めき、
 険しい山を登る覚悟が出来たら、お伺い立て祭りますね」と言う

スーパー銭湯のオレの数%の希望

それを見ていた嫁にビンタされて
オレも真っ赤になって

やっぱプロレスラーの嫁は最高だなぁと思った

調子に乗って
「生まれてくる子の名前は、イチゴにするかぁ!」と言ったら
「却下」
と言われて、ドロップキックがマウンテンの登頂に成功した

翌月、
もれなくオレのお小遣いは1万5千円減額された
さすがオレの嫁 愛してる


自由詩 スーパー銭湯の数%の希望 Copyright 狩心 2018-03-12 07:46:23
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