deep sea
mizunomadoka

あなたの鍵を青く塗って海に投げた
波の泡が飲み込んで
見えなくなった

別れた日だった
わたしが泣くとあなたも泣いた

玄関に、台所に、ふたりの部屋に
あなたとわたしのYESとNOが
散らばってる

もう会わないって言ったけど
もう会えなくなるなんて思わなかった


夢の中であの海にいる

静かに錆びた砂の上を
蟹たちが知らずに歩いてる

どんなに掘っても鍵は見つからない
時間だけが過ぎてく

わたしは息をとめる
わたしは海水を飲む

目が覚めると
涙に髪が絡みついてる

あなたにあいたいと
わたしは目を閉じる

この先はあなたに

夢でいい
あなたに












自由詩 deep sea Copyright mizunomadoka 2018-03-12 00:22:09
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