空白
につき

はるの海が



すべてを呑み込んだ日
わたしは目眩でしかなかった
はるの苦さというにはあまりにも
多くの命が失われた日

応えぬ名
帰らぬ瞳
待ち続けた背中

遠ざかっていく日にち
しかし終わらない日
そんな一面的な祈りではなくて

失われてしまったあの日
日本は空白だった


自由詩 空白 Copyright につき 2018-03-11 22:01:05
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