航海日誌
たこすけ




飴玉を噛み砕いたかと思ったら奥歯
じゃりじゃりと口の中
甘く充満している砂浜
おっかなびっくり、仲良くと、
喉の棚を転がってゆけばいい。
胃袋に宿る、強欲で、けれど陽気なナガスクジラが
口をとがらせる
「鮮(スク)ないね。」と、
とがらせる


丘に戻る葛藤と愛を読んだ詩(ウタ)
それが私の航海日誌


海に指をあそばせる、指の間
櫛で髪をとかすように船は進む、
だんだんと、遠ざかり、
過去(うた)らしい顔つきになってゆく
痩けた頬と笑い皺


波打ち際で、めくられている君の日記帳
漂流する海面のきらめきが孔雀模様
白紙の日々はだんだんと厚みをますでしょう
輝きながら今日書いた出来事が、
明日には消えてしまうことは
ペェジが1枚、1枚飛び立つ為の翼


飛び立ったあとに残された栞は羅針盤
目覚める天文潮


君の髪が蝶の羽となる
まことの空へと向かう
遠く離れた私は模様の目となって
同じ景色を見ているだろう
かつて逃げ出した景色へ蘇る彩り、
砂をなぞる艶やかな五本指
の跡に、みつけたよ

船が進む波風
身体に受けてはためく日々が
いつか空が映すだろう
貝殻の銀河












自由詩 航海日誌 Copyright たこすけ 2018-03-08 15:17:53縦
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