死の向こう側
ヒヤシンス


 寒空の中、人間の苦悩が立ち上る。
 ただ今を生きていたいだけなのだ。
 私は人の死を恐れる者。
 遠い死も身近な死も同じ事。
 
 死は死だよ、と友は言う。
 早いか遅いかの違いだけさ。
 僕はたまたま早かったんだ。
 真夜中の死者は言う。

 人は皆、死に導かれながら生きている。
 いつかのその時までにどれ位の幸福を感じる事が出来るだろう。
 私は今日の、今の幸福の為に苦悩している。

 死の先には何があるのか。
 分かり得るはずもない。
 私は今を精一杯生きる事しか出来ないのだから。
 
 


自由詩 死の向こう側 Copyright ヒヤシンス 2018-03-03 03:43:29
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