ふたたび眼を閉じて
山人

すこしだけ逸っていた温かさが
曇り空に沈黙したのだった
まるで開きはじめた花冠をもがれるように

細い力のないその通話の中に悪意はなかった
探るようなその手つきのような一言目に
きらきらと光が事切れていくのを悟った

レジ袋の中には失意が揺れている
胃の中に納まったパンの空き袋はきっと私だ
交通誘導員の目は憐れんでいたかのように見えた

あれほど発狂した冬の空はどこかに失せたかのようで
白々しい残照がカーテンから覗く午後
神からの采配に首をうなだれ
固く収まった自らの位置に自嘲し
再び眼を閉じた







自由詩 ふたたび眼を閉じて Copyright 山人 2018-03-01 05:35:14縦
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