母のおねしょ
たこすけ


ぱんぱんと
布団をたたく音
細やかな飛沫のなかに
抵抗をやめた粗相

母の瞳に映るは
幼き頃の私でしょうか
瞳の中のこどもは
あなたのよい友達

母の瞳にうつるは
祖父がつくった木のブランコ
こっくりゆっくりうなづいて
あめいろに焼けた慕情

薄く笑っているのは
瞳の中のこどもがあなたを
くすぐっているのでしょう

車椅子の母
両手がだらんと垂れきった
あなたの父が背中を押したように
信号に並ぶ乳母車から泣き声
路傍から鈴虫
ブランコは宙にゆれる。



布団をかけます。
たくさん重ねます。
寒くないよねと
言葉を知らぬ私に
ささやいたように





自由詩 母のおねしょ Copyright たこすけ 2018-02-17 16:27:19
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