かんずり
藤鈴呼


汗を掻きたい
恥よりも 先に
端に寄って持つ菜箸の色ほどには
焦がれている肌を持つ
決して怒らずムみあう

揉み合う、の 間違いではないのか
当初は奮闘した
ギザリとした瞳で
世界を斜めに横切ってみたり
綱渡りをする時に カニの真似もした
ものだけれども

無一文になって気付く悪魔
小悪魔なんて生易しさではなく
肌のように生ぬるくもない
熱燗ならば 酔っぱらえるものを
ぐらんぐらんと巡る世界は
今まで一度も 経験がなかった

頬を撫でる北風が
切っ先を鋭くして
目に見える程 痛々しくなる
その前に
何らかの策を講じなければ、と
生ぬるさだけを満たす心で
必死に考えている

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自由詩 かんずり Copyright 藤鈴呼 2018-01-24 08:43:17
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