ブレックファーストソーセージ
深水遊脚

薔薇の花弁の縁から橙が染みて
みえないくらい細い管を伝っていく
酔いが芯に伝わる頃合いに目覚める
ことは望んでいなかったのに

考えるのを許さぬ身体は誰のもの
やはり私のものであり
でも私のものでなくて
つまり氷点下の痛みを求める嗜好に溺れ
またはレンジから取り出すカップの熱に蕩け
傷つけた瞳の流す黄色い涙を啜り
滑りで満たされた孔を掻き回し
それらすべてに対する批評を
これが私であるとして拒み
汚れは洗浄機に押し込めて
においまでなかったことにする

今日の束縛に最適化された身体を
刻んで粗雑なソーセージにする
望んだのか望まなかったのか
答えは先に延ばして曖昧なまま
誰かがざらついたマフィンを頬張る


自由詩 ブレックファーストソーセージ Copyright 深水遊脚 2017-11-18 14:41:05
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