題名なんでしょう2
◇レキ

(3)
瞳は無機質にも見えるのに
それでいて裂けたように生まれている

一人で簡単に生きているのに
甘えるように近づいてくる

すべて知っているようなのに
それでいて途方もなく必然にいる

矛盾をのらりくらりと生きている

乾燥した死と湿潤な生を持ち歩く

だから美しい

だから寂しい

だから
一人の時ほど哀しい時ほど
冷たい所作でやわらかにすり寄って来る奴らのこと



(番外1)
自分では気づけない
心の湿気の充満に
差し込む陽射しが吹きこぼれ
他を思うことで生まれる罪悪感を
一緒に洗い流してくれる

(番外2)
忘れたい
日々の後悔を
皆に楽しまれてしまって
はにかむように
苦しみ笑うこと

(番外3)
誰しも
必ずほどほどに必要で
しかしありすぎると心が殺される
心を新鮮に保つ毒


(番外4)
所詮はあそび道具に過ぎない
空っぽな分小さく叩いてもやたら響いておもしれえ
壊れるまで適当に叩こうぐらいの
心の片隅にたまに思い出すくらいの
おもちゃ



自由詩 題名なんでしょう2 Copyright ◇レキ 2017-10-21 21:23:22
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