ほろほろ
唐草フウ

思い出を
思い出さないようにと思いながら
今朝も起きて食べて現実と歩いている


寄せるしろい 腕が
知らない世界へさらいに来て
巨大なしろい フォークが
ざざざ、と遠のいて
それをじっと 見ている


こころに触れるとあぶないよ
すべてを知ろうとしなくていいんだ
膝で立って 砂が泣く



あいなど、なくていい
この小指をいま、
あなたとつなげられていれば
その少しの皮ふだけで
眠られるのなら



たくさんの、しろいスカートのフリルが
優しそうにゆれて迎えに来て
つやのない 白い髪が
しっしっと追い返すように 掃いてくる
それを じっと 
今は



乗り越えるも飲み込まれるもない
ただ現実と時間とともに歩いている
カラフルもモノクロもない
造っているわたしの中で
こぼれながら








自由詩 ほろほろ Copyright 唐草フウ 2017-10-21 07:09:42
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