旅行メモ
◇レキ

闇は暗さにしか生きないらしい

例えば雨上がりの朝は
闇の気配を残している

貨物列車がごとり、と音を立てる
その分からない程の微動で
昨晩、闇が確かにあったことが分かる

雨雲を置き去りにして
空は随分甘い色





身体ではどうにもならないものを前に人は美しい

後悔が空に溶けてる

例えばどうにもならない後悔が

この絶望の行き止まりに息絶えて…





どうでもいいや
貨物列車が草に埋もれて

人もいないのに遠くで風車が列をなして回っている


生産のために捨てられた町の駅
なぜこんなにも綺麗な駅名ばかりなのだろう

だからこそなのか雲はいぶくように空一杯に生きている


自由詩 旅行メモ Copyright ◇レキ 2017-10-13 21:31:58
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