秋葉竹

わたしの時間はあのときから
すっかり止まってしまったんです

そして悲鳴はとっくに人の絶望ふみしめて
わたしは空っぽだから
からだじゅう毒で塗り固めているんです
じゃないと立っていられないから
どんな嘘を平気で使うかは
思いやりのコップの水に
ありがとうっていってから考えよう

狂気は好きよ
夢をばら撒いて
くだらない夜の貝を
掬ってくれるから

ホラ どうしても人って他人に
美化されるために生きている天使に
なりたいんでしょ

ホラホラ これは君の声?

「雪になりたいな」

素直になれない 自分が嫌い
みんなの憧れの天使にも嫌われて
どんどんイヤな自分になっていきます
ひとり暖炉で手をあたためている
ぬけがら無残な自分を だれにもみせたくなくて

いつかつらぬける悪魔になりたいと

ちいさな声で黙るように
孤独で震えていたから
からだじゅうの夜が泣いたんです


自由詩Copyright 秋葉竹 2017-09-14 22:05:31
notebook Home 戻る  過去 未来